テンカウント
」のレビュー

テンカウント

宝井理人

SMってこういうことなんだ‥!

ネタバレ
2019年6月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻では何を読まされてるんだろう?っていうくらい不可解な部分が多過ぎて、正直宝井さんの絵だから読めた感がありました。
でも2巻からの急速に濃厚な展開になっていって、面白味も増して、城谷さんがじわじわと黒瀬くんに侵食されていく姿に、あぁリアルなSMだこれ‥と理解できた瞬間、宝井さんの真骨頂を見た気がしました。
1巻で挫折した人はぜひ2巻までは読んでみてほしいです。
宝井さんの作品は絵の美麗さと世界観の美しさがまず魅力的なんですが、人の弱い部分やダメな部分をそのまま肯定してくれる慈愛ようなメッセージ性に私はいつも胸を打たれます。
テンカウントもそのメッセージ性を強く感じました。
城谷さんも黒瀬くんもそれぞれに傷付いた過去があって、それを乗り越えようとしてる二人が努力の末に前進はするけれど、完全には乗り越えられない。
でもそれで良いと思わせてくれる二人の関係性にとても癒されました。
欲を言えば、城谷さんに翻弄されて見えてくる素の黒瀬くんがここから色々と見れそうな気がしたので、もう少し続きが見たかったですが、でもハッピーエンドできれいに終わってたのでこれはこれで納得です。
多分これからも幾度となく読み返す作品だと思います。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!