巻を重ねるごとに深くなる





2019年6月7日
著者の『ニューヨークで考え中』を読後、本作へ。1巻時点では「軽めの恋愛コメディーなのか」と思っていたが、2巻目以降読み進めると次第に「恋愛モノと見えて実は仕事漫画なのでは」と思い始めた。一見、優柔不断なA子が二人の男どちらを選ぶのか決めかねる姿を描きながら、その実、A太郎を通じて生まれた自分の仕事への疑念をどう昇華させるのか、そしてA君がそれにどう関わっていくのか、というA子にとって「仕事=ライフワーク=人生」を賭けた選択をする時間が描かれているのだと気づいた。5巻までの間に異なる人物の視点で同じ場面が繰り返されたりと、各々の人物の思考が少しずつ浮き彫りになっていく様も面白い。5巻で物語は大きく動きだし、次巻が待ち遠しくてならない。

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