のんちゃんの手のひら
」のレビュー

のんちゃんの手のひら

金子節子

綺麗事では済まない

ネタバレ
2019年8月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ お話としては涙する箇所もありましたがやはり現実的ではありません。
身内にダウン症児がおり、我が子のクラスメイトに知的のある自閉症児がいたこともあり購入してみました。
まず言えるのは、乃梨子はダウン症のなかでも知的には高い方であるということ、何よりも団体行動や会話で意思疎通ができる障害児なので地域の小学校でやっていけたということです。表面的には、ですが。
特別支援学校は地域から隔離するために存在するのではありません。障害のある児童が将来自立し社会と共生できる力を身につけるためにあります。
特別支援学校を下に見ているのは何故ですか?それこそ障害児の親こそが支援学校に通う子どもたちを差別しているのではありませんか?支援学校に通ったって友だちはできます。
健常児にも教育を受ける権利があります。過去に障害児のお世話係をしていた方も少なくないと思います。
漫画には描かれていませんが、授業中のおもらし、食べこぼし、移動教室、女の子なら生理の世話等、山ほどあります。
そんな中で育つ障害児は現実では自己肯定感の低い、自信のない子になる場合が多いです。
クラスメイトが不満を言えば障害児の親は差別だと乗り込んできます。
我が子の小学校では運動会では、あるクラスのリレーのアンカーにダウン症児が決まり絶対に勝てないことが決定的なリレーに子どもたちのやる気が出るわけもありません。
感動しているのは担任と障害児の親のみです。

障害児の親の目線からしか描かれていないのが残念です。
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