歌に芝居に恋に友情、少女たちの青春物語





2019年8月28日
作品名がひらがななので、最初「過激少女」=不良な女の子の話なのかな?と思っていましたが、「過激」ではなく「歌劇」でした。入試が超倍率で規律も厳しいことで有名な、少女だけが入れる音楽学校。明日のスターを夢見て、そこへ入学してきた少女たちの姿を描く青春物語です。主人公のさらさは真っ直ぐで明るく、マイペースな部分もありますが仲間思いで勉強熱心、舞台役者としての天性の才能もあって、自然と応援したくなってしまうような女の子です。他にも、元アイドルの美少女だが感情表現が苦手な愛ちゃんや、抜群の歌唱力を持つが自分に自信がなくぽっちゃりしている彩子など、個性的な仲間たちが切磋琢磨しながら成長していく姿が描かれています。それぞれのキャラの過去やエピソードがしっかり描かれているので、登場人物ひとり一人を応援したくなる魅力があり、掘り下げが上手い作家さんだなあと思います。どのエピソードも好きですが、特に印象的なのは、プライドが高く上昇志向の強いサラブレッド・薫の過去話と、可愛い笑顔でエゲツない事をズバズバ言うキツい先輩・聖のエピソードです。聖先輩は正直苦手なキャラだっただけに、あの過去話は良い意味でズルい!と思ったし、文化祭後の話は泣けました。それぞれのキャラクターにそれぞれの人生があって、辛いこともあるけれど、夢に向かって頑張るキラキラした姿に勇気と感動をもらえるし、何度も読み返してしまう作品です。どんな展開になるのか、続きが待ち遠しい!

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しの さん
(女性/50代) 総レビュー数:0件