モルヒネ
」のレビュー

モルヒネ

安達千夏/斉木久美子

切なく胸に迫る想い…

2009年4月9日
小説、コミック両方読みましたが…本当に泣けます!号泣…というより思わず涙が一筋こぼれ落ちる感じ。

全編が本編なので読むなら🅿購入して下さい。

幼い頃の母の自殺、その後の姉の死で、「死」に囚われたまま生きている医学生・真紀。そしてそんな彼女を支える音大生・克秀(ヒデ)。時に厳しく鋭いヒデの言動に戸惑いながらも想い想われる幸せな日々を送りそれはずっと続くと思っていた…7年前のあの日まで。

7年前突然姿を消した元恋人と再会したのは真紀の勤務先のホスピス。ヒデの余命は残り僅か…何故、彼が病に?死を望んだのは私なのに…この再会は偶然?必然?死を目前に自分に会いに来たヒデの真意は…?

ヒデの想い、真紀の想い、長瀬の想い…それぞれの想いが交錯しながら物語は静かに展開します。淡々と進む物語の中で、登場人物たちの気持ちがじわじわと胸に迫ってきます…時に切なく、時に甘く、そして時に痛く…

そして無情にも最期の時は迫ります。

ヒデが真紀に会いに戻った本当の目的は…

言葉になりませんでした…

何も見せず何も語らず…人生の最期、大切な人への最高の贈り物。

真紀と一緒に驚き…そして泣きました。

そして、全てを静かに見守り続けた長瀬の想い。
心が温まり希望の持てるラストです。(ラストは小説よりコミックの方が秀逸だと思います)

切なく胸に迫り…そして心温まる人間模様です。せっかくなので皆までは言いません。未読なら是非ご一読を!
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