ララの結婚
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ララの結婚

ためこう

短編のままの方が良かった気がします

ネタバレ
2019年11月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ ためこうさん、何冊か買ってますが…絵は好みだし、設定も悪くないと思うんですが、登場人物の感情が説得力に欠ける気がするんです。

村にとっての生命線を握る相手との縁談話でララの身代わりになるのも、ララのことを兄として大事に思ってるからだと思うのですが、その辺エピソードも書き込みもないし、身代わり買って出て逃げればいいや、みたいな後先考えない感じがどうも…
村に逃げた後、結局村にはもう帰れないことを悟るんだけど、村で暮らしてたなら身代わりなんかして問題起こしたら村の存続に関わるのはわかり切ってた話だし、村人がウルジの所に帰そうとするのは当然だと思う。
絆兄弟?とかの設定ももっと内面書き込んでから出せばそれなりに生きたのでは?と思うけど、サクッと序盤に流して終わっちゃって勿体ない。
また、ララやタシのことは思いやれるのに、他の村人のことは思いやれない、父親との関係性もイマイチ良いのか悪いのかわからないし、ラムダンの人間像が見えてこない。

あと、ウルジのこと責めたりしてるけど、ウルジ悪いとこあるかね?そりゃ妹のこと仕組んだりはしてるけど、結局そこで逃走身代わり選んだのはラムダンとララ自身だし。
更にウルジがラムダンに惚れた理由もイマイチよくわからない。あのきっかけだけで、色々仕組んでまで男を嫁にしようと思うほど惚れるもんかしら。そこも今後描かれるのかもしれんけど、生命力に満ちあふれてる、だけでは、ラムダンでなければ!と言うほどは惚れないんじゃない?

とにかく、感情面が全般的に説得力ない感じなんです。絵も綺麗だけど、登場人物の内面感情を表すような表情に乏しくて、漫画としてはどうなのかと思います。登場人物の内面の設定が浅いのかいかされてないのか。
絵は抜群に綺麗なので、挿絵をメインにされた方がいいんじゃないでしょうか?
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