囀る鳥は羽ばたかない
」のレビュー

囀る鳥は羽ばたかない

ヨネダコウ

名作

ネタバレ
2019年12月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「俺はお前をどうにもできない」
この言葉を読んだとき、涙が止まらなくなりました。矢代にとって百目鬼を受け入れることは過去を肯定し、そして自分自身を否定することであり、自分でも開けられないほど頑丈に蓋をした場所にある傷に触れること。それまでずっと目を反らして、平気なふりをして、傷を抱えていたのかと思うと苦しくてたまらなくなります。
そしてそのことに気づいたであろう百目鬼が、今後どういった形で矢代と関わっていくのかとても気になります。
お話としてハッピーエンドでなくても、二人が救われる結末を迎えることを願わずにはいられません。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!