テセウスの船
」のレビュー

テセウスの船

東元俊哉

消化不良

ネタバレ
2020年1月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2巻無料に釣られ最終巻まで購入しました。殺人犯の父を持ち不幸な家庭で育つ、父には会ったこともない心が主人公です。
リアルっぽい描写ながら過去にタイムスリップし家庭が不幸にならないよう事件の真相を突き止めようとします。

オチが個人的には納得出来ずなんだかよくあるオチだなと思ってしまいました。他にも同じ感想の方が居てやっぱりなと。過去は過去、現代は現代で決着を着けてほしかったなと思ってしまいます。少年Aは成長して現代に居るんですから。例えば過去で刺されながらも現代にタイムスリップし回復後に成長した少年Aの姿を知っているためすれ違った時に存在に気づくとか現代での結婚相手が名前を変えた少年Aであるとか。

こういう話だとタイムスリップ以外の事柄はツッコミどころがないといいのですが平成元年の時点で身元不明者が被害者や犯人になるのはどうなんだろうな?とか少年Aの叔父を名乗っていたなら後にDNA鑑定はされないのかとか色々と考えてしまい何とも言えない気持ちで読了しました。あとは最初は死んでるからいいもののループ後の佐野家を壊したのは佐々木さんじゃないのか?とかも。不気味エンドよりもバッドエンドのほうが納得したのかなと。
あれだけ犯人が執着していたのにもういいのか?とも思ったり。
姉妹が殺された理由や犯人が執着する理由なんかも伏線よりも後出しのような気がしてそこも面白くなかったのかもしれません。消化不良だと感じた1番の理由は功労者である心と現代の心の存在のせいかもしれません。ただそれはタイトル通りテセウスの船だからこう感じる自分の方が間違っているのかもしれないです。
とはいえ最後まで楽しみながら読むことは出来ました。

絵は青年漫画らしくすっきりとしていてシンプルで見やすいです。キャラの描き分け所か加齢もすごく上手に描けていて素晴らしいと思います。
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