ブライダル・スイート
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ブライダル・スイート

サンドラ・マートン/黒川あづさ

僕はそういう積極性は嫌いじゃない

2020年1月11日
日本企業の役職にある男性にこういう傾向が有れば女性の能力を発揮できる場が増えると思う。この先生の物語を読むのは2作目だが、登場する男性キャラが小粒な気がする。HQの中でヒーローとして存在する男性は身長180㎝以上であるから。これは外見だけの事だが、企業家で独立独歩で財産家であることは共通している。また、このヒーローグリフィンは自分の落ち度を認め その後はヒロインデイナに全幅の信頼を置き仕事の進展に向けて高揚するところなど仕事人間であり 恋愛や結婚という物からは遠い存在と位置付けているのは特別感は無い。それでも表題のスイートに関連付けて優秀な女性のその裏にある事情を絡めて 今まで興味などなかった女性の社会的立場や立身の困難さに気付き、健気なデイナに惹かれる状況は良く伝わる。が、あまりにもその背景が緻密過ぎて甘々感が希薄。デイナの頭が良すぎて 感情が理性によって封じられる様が、私には悲しく映ってしまう。デイナとアーサーのやり取りには心底マイッタ。彼のような男性に恋できていれば万事解決な気がするのにと。頭の中でどんなに思考を巡らせても感情には嘘はつけないという展開の 別れた後街中で出会う2人が言葉なく抱き合うシーンは「やっぱりそうだよね」と秀逸なシーンとなった。余談ですが、ブライダルスイートと名付けられたあの部屋、アカラサマすぎて下品でドン引きしました。
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