夜を走り抜ける
」のレビュー

夜を走り抜ける

湖水きよ/菅野彰

若き彫塑家×危うく美しい美術商

ネタバレ
2020年1月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新進気鋭の彫塑家・コイチ×美貌の美術商・晴生。父亡きあと自分と妹を育ててくれた南雲から画廊を継ぎ、癖のある客達を躱しながら仕事をこなす晴生は歪みのない彫塑家・コイチと出会う。やり手社長の宝生、昔馴染みの鑑定士・高嶋、コイチのパトロンの伊東など周りは一筋縄ではいかないキャラクター達ばかり。南雲との過去に縛られ、愛されることを恐れ人生を諦めている晴生の再生の物語。正直芸術家達の感性も大金が絡む駆け引きも私にはちょっと難しくて理解の及ばない部分もちらほらと…。でも大筋はわかるし、先が気になってぐいぐい読めて面白かったです。ストーリー重視で甘さ控えめだけどそこがいい。冒頭から出てくるネックレスが、晴生の美しさを引き立てる意味でもいいアクセントになってました。宝生のキャラがかなり濃かったので、彼目線のお話も面白そう。
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