このレビューはネタバレを含みます▼
総437ページ。イッキ読みしました。雄之進は父親の仇を討つために刀爾郎の屋敷の下郎になるのですが、その凄まじくも美しい剣技に見惚れて刀爾郎を愛するようになります。刀爾郎も雄之進に惹かれ愛し合いますが、決闘の日は近づいていきます。2人が刀を切り結ぶ場面は迫力がすごくて、刀爾郎は雄之進に切られてやりたい気持ちがありつつ、簡単には切られない、雄之進の力が足りなければ切って捨てるという緊張感があり、雄之進は父親と同じで情を交わした相手を殺すことなどしたくない、お互いの気持ちが交錯して読んでいて どっちも死なないで! と祈るような気持ちで読み進めました。他の登場人物も魅力的でしたが、中でも雄之進の父親の妾のおりうさんがよかった。一緒にしてあげるなんてすごい。こういう女も凛としてかっこいいお話好きです。6年かけて描かれたということですが、こんなにすばらしい作品を読ませていただいて感謝です。これ以上読めないのがつらい。読み返します。