このレビューはネタバレを含みます▼
久しぶりの再読+全巻一気読み。陰と陽、呪術、ブロマンス、唯一無二等々が好きな人におすすめ。七本の神剣を集め、千七百年の怨念を昇華する宿命の闇己。島根県の村で四十九年に一度だけ行われる秘祭。それが七地と闇己の全ての始まり……。
闇己は常に期待、重圧、葛藤、闇を抱える過酷な運命。いきなり父を失い、新たな心の拠り所となるのが七地。そんな中で、神剣と同時に東京の"念"を活性化させる者を探す二人。
あの話の登場人物が違う話で重要になったりと、伏線がすごい。話としては人の興味本位や残酷さが描かれている「七/人御先」や「捻じれる黒髪」が面白かったです。
混乱を招く黒幕の眞前。見事な悪役ぶり!巧妙に闇己の心の弱さにつけこみ、グイグイ来ます。本当の望みはこの世の破滅?この人も結局"家"に囚われた人だったと思います。
単純明快な蒿、落ち着きぶりが半端ない修、裏街道を歩きながらも弟を思う楠などが好き。作者は男性陣の方が確実に力が入っています。
七地は人が良すぎるのと、善人の正義を振りかざしすぎるのが、長所兼短所。正直イラつく時もあり。異父姉の寧子もドロドロの闇を抱えていて怖いキャラ。
最後は命を懸けて巨大な"念"を昇華。結局他の人はあまり活躍せず、闇己と七地が全てを背負い昇華させました……。ラストは個人的には受け入れていますが、賛否両論あるかも?