ブラックガルド
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ブラックガルド

花田陵

物語を描くことの難しさ

2020年3月3日
【2021/12/22編集】まだ最終刊を読んでいないのですが、デビルズラインⅡの連載が発表されたので感想を書かせて頂きます。まずはブラックガルド連載お疲れ様でした。新しい作品に取りかかることへの楽しさ、そして難しさ両方を抱えながらの連載だったと思います。最初は馴染みにくかった作品ですが、回を追うごとにハマっていき、新作で再び花田先生の世界観に浸れることに喜びを感じていました。ただ、単行本についていたデビルズの書き下ろしマンガ応募券やブラガルのイメージCDという副産物を打ち出していく売り出し方に違和感を覚えていたのも事実です。そして短期間での連載終了・・・・・・。彼らの最後をまだ見届けてはいませんが、正直落胆してしまったというのが本音です。連載前はきっと花田先生の中で広がっていくイメージがあったのかもしれませんが、アパレルのデザインや映画制作などクリエイターとして様々な活躍をされていた反面、本来力を注ぐはずだった本作に使うエネルギーが枯渇してしまったのではないかと思えてなりません。ラスト1巻で綺麗に終わるとはどうしても思えず、なぜこんな中途半端な形で彼らは世に出されなければならなかったのかと残念な気持ちです。それほど私はこの作品やキャラクター達を好きになっていたんだと気付きました。最初から短期連載の予定だったとはどうしても思えず、最終回の告知があった時に「打ち切りだろうか」という懸念が頭によぎった後のデビルズⅡの発表で確信が持てました。売れてナンボの世界なので出版社が「終わり」といえばそれまでなのかもしれませんが、もっと花田先生がブラガルのみに心血を注いでいれば何かが変わったかもしれない、そう感じられるほどの惜しい作品でした。すでに決まっている終わりを嘆いても仕方ないのですが、それほど面白いと感じていた人間もいることを知って欲しいです。
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