ばら色の頬のころ
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ばら色の頬のころ

中村明日美子

それは、少年時代。

2009年7月17日
ドイツ。激動の時代を背景に、そこから隔離されたようにギムナジウムで日々を過ごす少年たち。
しかし、そんな彼らにも戦争の影が忍び寄る。

ルームメイトの美しいポールはある事件から徐々に心を蝕まれる。
移ろうようで、強い心を持つモーガン。
モーガンは乱れるポールに翻弄されつつも、彼を救いたいと願う。
そばにいたいと願う。

やりきれない気持ち、行き場のない想い、愛とわからずに愛を打ち明ける行為…。
ふたりの様々な感情が入り乱れ、すべての感情はガラス細工のように美しく脆くはかなく、また同時に強く強くきらめいて見えるようでした。

何もかも全てが美しく、何度でも繰り返し読んでいただきたい深い作品です。
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