ブッ飛ばしてもよろしいですか？

悪役令嬢モノにはもう飽きた、と言いたいところですが
この作品は主人公のご令嬢が、悪い奴らに対して自ら制裁(物理)を加えスカッとする、今まで見たことも無いお話でした。

バカな婚約者の第2王子に「お前は悪役令嬢だ！」と言われるシーンがあるだけで、全然悪役令嬢でもないですしね。

第2王子の新たな婚約者として登場した、性根の腐っている女の子が序盤に出てきましたが、1巻最後の方でもチラッと様子が載っていました。
その子は王子とただ結婚したくて取り入ったわけではなく、悪い奴と繋がっており何か目的があったのだろうなと感じたので、今後も最初とは違った顔で登場するだろうと楽しみになりました。

最初は第2王子とその新しい婚約者とやらにかなりムカつきましたが、我慢をやめた主人公が容赦なく顔面に全力パンチを入れたので、色んなものを通り越してとりあえずスカッとしたので良かったです(笑)

でもいくら悪事に加担していたとはいえ、真正面から権力者をぶん殴るだなんて、普通に考えて令嬢でしかない主人公は大罪人として罰せられると思うんですよね。いくら主人公の方が正しかったとしても。
裏で悪いことをしている奴らには、言い逃れできない証拠を用意してから正面突破するか、目には目をで裏から手を回し不正を暴くかのどちらしか無いと思います。
せっかく誰よりも立場が強い第1王子が味方に付いているのだから、いくらでもやりようはあったと思います。
まだ証拠も出揃ってない中で暴力に走るのは1番愚かな行為かと……。
まぁ主人公は、悪者を罰する為とかでなく、ただ単に第2王子のバカさ加減にムカついてキレただけっていう単純な理由で行動を起こしたんですけども(笑)
それがまた、聡明な令嬢とは思えない分別の無い愚かな行動をしてるよなぁ…とちょっと残念な気持ちに。

こんな前代未聞の大暴れをしてしまったにも関わらず、なんのお咎めもなしはかなりご都合主義に感じました。
第1王子が手を回してくれたとしても、果たして笑い話で済む問題なのか(笑)

言い出したらキリがないですし、この作品は悪者をぶん殴る主人公がウリというか、メインって感じなのでそれに対して何か言うのは作品を全否定しちゃうことになりますけどね。

血の気が多い主人公に、感情移入はできませんが笑って楽しんで読めます。
チート級の強さが男性向け異世界漫画の主人公みたいで面白いです。