天は赤い河のほとり
」のレビュー

天は赤い河のほとり

篠原千絵

歴史トリップ少女漫画金字塔

ネタバレ
2020年4月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今や巷に溢れる異世界転生漫画、でも振り返るとこの頃って良質な異世界or歴史トリップ漫画(※主人公は死んでない=転生ではない、元の世界に帰るかの葛藤が醍醐味の一つのジャンル)が沢山ありましたね…
この漫画はその黄金期の金字塔です。
主人公は何の特殊能力もない快活な中学生。その主人公が古代ヒッタイトに呪術のため引き摺り込まれ、帰りたいと奔走する。
ただの中学生の主人公が生きる為、流れとはいえ手に入れた側室の地位を持って現代日本の道徳観を体を張って説教したら…そりゃそうなる、な引き込み方は見事。口だけじゃない、無謀なだけじゃない、泣いて走って努力して反省する主人公は壮観です。
そして少女漫画ですが容赦なく味方が退場します。大丈夫だろう、主人公補正で…なんて駄目でした、な展開がけっこうあります。ご都合過ぎない容赦のなさがいいスパイスです。
…一番貧乏クジ引いて一番ある意味報われまくった(触らないどころのアレじゃない色々)ルサファが一番好きです。
一点マイナスなのはなんかやたらモブ兵がほぼ同じアシスタントさんだよなコレ…って名も知らぬアシさんの苦労が偲ばれたからです。いやどんだけ1人のアシさん酷使したのこの作者さん…
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