BLACK BIRD
」のレビュー

BLACK BIRD

桜小路かのこ

男性キャラとラブシーンが全て

ネタバレ
2020年4月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ ストーリー自体は「どこかで読んだことのある」少女漫画王道パターンのパロディ。切り貼り感はいなめません。
この作品は良くも悪くも「男性キャラクター(と濡れ場)」が全て。
その魅力で、18巻まで引っ張れるのがこの作者の力量で、凄味。
なんとも言えない表情の描写やヒロインの相手役のセリフ、乙女心をわしづかむ強引さ。
少女漫画の夢が凝縮されてます。
ラブシーンは、かなりドキドキさせてくれます。
が、、、
ヒロインの思い込みの激しさ&泣きすぎで辟易します。
男女のすれ違い方がステレオタイプで、主人公の独りよがりに見えます。
毎話見せ場を無理やり作ってる感があり、想いが暴走しすぎて疲れます。
ヒロインに「共感できない」=同性はイラっとくるのでは?
匡が、ここまで主人公に拘る理由が見出せませんでした。
「仙果」だから特別=主人公のキャラに芯がなくてもいいのかぁ〜と、無理やり納得しつつ読み進めました。
後半、壮大なスケールに発展…作者のひとりよがりが先行してポカンとなります。
こーゆー半ファンタジーは漫画といえリアリティが全てだと思いますが…
・ストーリーの伏線が雑
・モブキャラの扱いが雑
・突発的エピソードが多すぎる(消化イベントのような安物の)
・主人公が女子高生とはいえ甘ったれすぎて、身勝手
・両親との関係は不必要な描写
だったと思いました。
思いつきとゆーか、無駄が多いストーリー展開です。
大筋のストーリーにのみマトを絞って丁寧に描いて欲しかった。
脱線せずにまとめれば、10〜12巻で収まったような。
激しい割に簡単に片付くエピソードもあったりで…。
そこまで不幸思い詰めるほどの状況でなく、愛されて恵まれてるのに悲劇のヒロインすぎて、読者の気持ちが追いつかないまま終わります。
作者の伝えたかったものと、漫画の世界観・構成の技術が伴ってないのか、チープな感じで読者置いてけぼりな場面が見受けられます。
ラストも…なんか。
作者の押し付け?ヒロインの1人よがりでポカーンです。
あと、(特に横顔)描写にブレがあります。
これは好みですが、もう少し女の子の目を小さめに描いた方がいいかも。
とはいえ、18巻まで一気に読めるエンターテイメントです。
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