うつくしい体【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
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うつくしい体【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

鹿島こたる

うつくしい漫画

ネタバレ
2020年5月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ ミチルの純心さや美しさはもちろん愛らしいのですが、私はまっさらすぎるがゆえに自分の感情さえ持て余していたミチルを優しく導き、大きな愛で包む夕路の懐の深さに惚れました。個人的にはミチルが体を傷つけたときに、単によしよしするのではなく「俺怒ってるよ」と伝えたうえで「だから理由くらい聞かせてくれるだろ?」と続けるのが本当に格好いいと思いました。きっと夕路が真剣に向き合いはっきり伝えてくれたからこそミチルも自分の感情を言葉にできたのだと思います。ミチルが初めて知った感情をつたないながらも一生懸命に「あいしてる」という言葉で伝え、それに対して夕路がはっきり力強く「愛してる」と答える姿は本当に男前でした。また作品そのもののアート性も高く、最後に夕路がミチルをチーム○ボなところに迎えに行ったシーンは、まるで雪の中で互いを温めあっているかのようでとても美しかったです。もちろん登場するタトゥーや絵画もすばらしく、巻末の資料集には参考にされた画家さんのことも書いてありとても勉強になりました。大満足の一冊です!
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