辺獄のシュヴェスタ
」のレビュー

辺獄のシュヴェスタ

竹良実

この作品凄い、それだけに惜しい

ネタバレ
2020年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品、凄いです。
まず女の子が酷い目にあいます。手首を切られたり、拷問受けたり、処刑されたり、そして最後は顔が半分無くなったり・・・こういったジャンルの耐性が必要な作品です。それがクリアできれば一気に読ませるパワーがあります。

時代や生い立ちにに翻弄されながらも、運命を切り開こうとする少女たちの儚く切ない物語ですね。素晴らしい。

ただそれだけに惜しい面も。
後半かなり巻いてしまっているため、前半の濃厚な展開に比較してかなりあっけない印象がぬぐえません。最大、最強の「敵」である総長のことをもっと深堀して欲しかったですね。マナの秘密とか、越冬の話とか、これだけ?という部分も多々ありました。

主人公エラのエッジが立ちすぎて、他の登場人物がかすんでしまっているのももったいない。またクリームやジビレなど、展開次第では化ける可能性のあるキャラたちも、いまいち活かし切れていませんでした。

本当は20巻くらい使って、サイドストーリーなんかをもっと盛り込みながら本流の復讐を盛り上げていくべき作品だった思います。

が、繰り返しになりますがパワーがあって凄い作品だったと思います。
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