シガレット&チェリー
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シガレット&チェリー

河上だいしろう

タイトル通りの

ネタバレ
2020年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ タバコを吸う女子と、チェリーの男の子の恋愛ストーリーです。

いわゆる「大学デビュー」をねらう、わざわざ金髪にまでして、イキって喫煙所に「初タバコ」を吸いにきた主人公が、たまたまいた「大学院生」の美人さんと、世間知らずの怖いものなしゆえの強引なアプローチにより、徐々にお近づきになっていくという、ある意味、夢のストーリーです。(皮肉抜き)

実際には、どちらも現役合格として、年齢が4つも離れているこの世代としては、えてして「一回くらい、お情けデートしてあげて、ていよくあしらわれておわり」になるのがいいところですが、そこは、漫画なので、ぐいぐい、夢の展開が続いていきます。

街を歩けば、誰もが振り返るほどの美人の先輩ですが、年相応の社会的経験をしているかとなると、ちょっと「?」な感じもします。まあ、この漫画は、大学のなかのことが一切かかれていないので、レベルも学部も、ほんとになにをしているのかわからず、はかりようがないのですが、この「すかした態度」のまま、社会に出ると、先輩、ちょっと苦労するのではないかなと、よけいな心配も…

唯一、胸糞の展開としては、まだ恋愛経験がなかったらしい(超美人がゆえの、ありがちなパターン)、学生初期の時代につきあった「初彼」が、よりを戻そうと訪ねてくるのですが、こいつが、もう救いようのない「自己愛性パーソナリティ障害」の固まりのような人間性で、その発言のすべてがむかつき、ここらへんの数話は、とばしてもよいと思います。

その後「そういうやつもいたね」的な会話もされますが、その姿を知らなくとも、読んでいくのに問題はありません。

まあ、全編を通して、失礼ながら「この『程度』の男の子(ルックスは十人並み、ファッションも普通、とびぬけて性格がいいわけでもなく、衝動性にかられた行動をとる幼さが随所にでてくる、人格偏差値ぴったり50程度のフツーの大学1年生)が、美しさだけで言えば都道府県トップクラスの美女と、こんなに近づいていけるか?という疑問が、しょっちゅうわいてくるのですが、男性、少年の読者にとっては、ワクテカものと思います。

作品、画風ともに、好きですよ!
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