ぼくは麻理のなか
」のレビュー

ぼくは麻理のなか

押見修造

悪くはないけど…

ネタバレ
2020年8月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作者さんの持ち味なんだろうけど、描写というか、間というか…絵ばかりでなかなかストーリーが進まなくて長いわ…
物語に直接関わらない、例えば何か食べてるシーンとか、瞳やただの姿のシーンとかが無駄に多すぎるように個人的に感じました。
焦れったいというか、テンポが遅くてダレるというか早く話進めてよっていうか…

この漫画のタイトル通り、小森くんが麻理ちゃんになってしまって、感触や環境を感じたり、悩んだりドギマギしたその細かい感覚の描写が、最後の最後になって、麻理ちゃんの単なるただの妄想だったって?ちょっとその締め方、乱暴じゃない?

9巻もかけてゆーっくりゆーっくり描いてきといて、落ちを妄想ということにするのならするで、それなら同じ長さをかけて、それを丁寧に明らかにしていってほしかった。
例えば、もっと麻理ちゃんと麻理ちゃんが作り上げた小森くんが麻理ちゃんの中で、やり取りしていく様とか。

小森くんにしても、依ちゃんにしても、麻理ちゃんやお母さんにしても、深いものを抱えてるかのように読者に見せておいて、たいして解決もしてないし、読者の腹に落ちるようなオチもないまま、何となく高校卒業して終わりとか…正直消化不良です。

可愛い顔やちょっとエッチな絵を繰り返し繰り返し描きたかっただけの漫画?

もう少し整理して、エピソードも削るかまとめるかしてスリムにしても、この作者さんの世界観は出せたと思う。
それか案外、ただの入れ替わりものでも良かったかもしれない。
誰の目線で物語を進んでいけばいいか、とっ散らかって混乱する構成だったと思う。
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