シャングリラの鳥
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シャングリラの鳥

座裏屋蘭丸

読むリゾート、予兆が醸すエロス

2020年8月13日
作者がインタビューで語っているように、これは読む「リゾート」。南国の小島にある娼館が舞台。男娼たちの心身のケアをする擬似愛人役の一人、アポロと男娼フィーは娼館のルール上、恋をしてはいけない。離婚調停中で娼館にきたばかりのアポロ。奔放だが複雑な過去があるフィーはその教育係になる。二人の距離が縮まるか縮まらないかの予兆、気配だけがある全編にエロスが醸成される(現在、単行本1巻が刊行)。過程に尋常ではない官能が宿る。オーナーの美学により、男娼たちの地位が保障されていて、性を謳歌しているのもポイント。
BLアワード2020のBESTコミックで3位。座裏屋蘭丸先生の完成された世界観の作品を前に、BLというエンターテインメントの奥深さに唸るしかない。
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