人が人へと育つために必要なもの





このお話は、厄介物として親戚中をたらい回しにされたせいでまっとうな社会性を身につけることができなかった少女と、不本意ながらその世話係として回ってきたお鉢をぞんざいに放り出すには真面目過ぎた先生の物語です。養育を放棄され、与えられるべきものを与えられなかった、荒んだ野良猫のような少女の慟哭は読んでいて辛いのですが、そんな彼女が少しずつ周りに心を開いてゆくさまは、ひとがひとへと成長してゆくのに必要なものが何なのかを教えてくれます。
先生は一見とても冷たい感じなのですが、まっとうな怒りや苛立ちを抱くところは共感できるし、彼女を育てるためのアプローチがいかにも教師らしく技巧的で面白い。なかなかの華麗なる一族なせいで一般家庭の感覚から少々ズレたご指導もあるのですがw、ちょいちょい描かれるノーブルな様子もまた興味深いです。

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shikimi さん
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らんらん さん
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シマシマねこ さん
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本峰 さん
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三月 さん
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