茅島氏の優雅な生活
」のレビュー

茅島氏の優雅な生活

遠野春日/日高ショーコ

ノーブルなお伽噺

ネタバレ
2020年9月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 3巻で茅島氏がドクターに言う「私がほしかったのは…」の言葉に胸がつまりました。この物語の魅力が凝縮されているシーンのひとつだと思います。なんと言っても茅島氏の魅力ですね。社交的である方が好まれる世の中で自分の価値観で生きているから茅島氏はノーブルでありながら可愛らしい。自分が孤独であるかどうかも興味はなかったけれど何かに心を動かされたら素直に従い、言葉にし、意地をはり、拗ねたりする。そのほんの少し垣間見せる胸のうちが何とも可愛らしくて嬉しくて周りがあれこれ甘やかしたくなるんでしょう。もうひとつの主役が美しいイングリッシュガーデン。そして深窓の令息のお相手がそのガーデンを守る庭師。そのロマンチックさを邪魔しないために庭師は名前を呼ばれることがないのでしょうか。ノーブルなお伽噺でとても良かったです。
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