このレビューはネタバレを含みます▼
期間限定読み放題。
ヒロインは映画プロデューサー、ヒーローは人々の癒しとなるダイナーを開くという夢を抱いた恋人同士。ヒーローが自分の店を開いたのと時を同じくして、ヒロインは映画プロデューサーに拾われ、ロスとニューヨークに離れて生活することに。しかし、ヒロインは映画プロデューサーにレイ プされ、更にそのプロデューサーが映画失敗と同時に逃げたことで残されたヒロインは悪女のようにマスコミに書き立てられる。ヒロインはヒーローと合わせる顔がないと、嘘を吐いて別れを告げる。
それから5年、ヒロインはようやく掴んだ仕事でロケーション担当としてヒーローの店の撮影許可を得にやってくる。ヒーローは了承の代わりにヒロインの身体を要求し…。
ヒロインの立場から見ると酷い提案をしてくるヒーローだが、復讐目的というよりはヒロインを忘れられなかったが故の行動で、一緒に過ごすことで今のヒロインを見て変化を確認したかったもよう。
再び惹かれあう二人だが、ヒロインが再度スキャンダルに巻き込まれそうになり、ヒーローの口利きで難を逃れ、過去の誤解もとけて、二人揃って夢を叶えてのハッピーエンド。
なんだが、どうにも読後の満足感が湧かない。
他の方が褒めてたほどヒーローがいい男と思いきれなかったせいだろうか。庇ったところも脅されるシチュエーション作ったのはヒーローだし、そうなった経緯もヒーローがあんな女記者と関係してたからのところもあるし。自分で作った問題を自分で解決するついでにヒロインのフォローしただけのような。撮影許可も映画の方に出してる時点でヒーローの心理的ハードルはなかったと思うから、何も犠牲にしていない。
そもそも女記者と関係してた描写が不快。女をヤリ捨てするタイプだったのかというのもあるが、物語的にもヒロインが自分の意思を無視して抱かれ、傷ついて男性恐怖症になるほど苦しんでた間に、ヒーローは自由意志で美人と楽しんでいたというのが、二人の不幸バランスが取れてない感じでより不快に感じるのかもしれない。
想い合っていた二人がヒロインの悲運で別れ、再会して想いを通じ合せてのハッピーエンドなのに読後の満足感はなぜか湧いてこないのは、その辺のバランスが悪いせいなのか。
前半の不幸展開に対して、最後は過剰と感じるほど成功しまくってる描写なのもまた極端すぎてモヤッとするところか。
ほどほどに描くのも大事よね。