華なるもの
」のレビュー

華なるもの

西つるみ

素直になれなくて

ネタバレ
2020年9月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 武家の三男ながらその美貌と教養で院の寵愛を受けのし上がった高前、彼は誰のものにもならず、心を許すこともありませんでした。真っ直ぐに気持ちを伝えてくる智実が現れるまでは。高前は罠にはめられそうになり、反対に罠を仕掛けます。それは悲劇的な出来事に発展し、智実と高前の間には決定的な溝がうまれます。高前がのし上がるためには人を切り捨てることも厭わない人物なので共感しづらく、正直好きではないのですが、雅楽師のお話のように貴族の思うがままに運命を左右されることに反発があったのだと思います。時が過ぎ恨みや苦しみが薄れても2人は互いに想い合いながら心を通い合わすことはできず...。悲いお話だと思いました。2013年4月 総202ページ 修正=見えない構図。
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