このレビューはネタバレを含みます▼
難しい作品でした。時々過去エピソードが入るのですが、時系列の整理も少し大変でした。何より、過去エピで攻めの生立ちなどは描かれず、完全な種明かしにならないので、攻めの特殊設定(人間なのに軍犬として育成されたとか)にこちらの納得がいかないままストーリーが進んでいき、最終的にそのままハッピーエンドしてしまい、読み手の自分がちょっと置いてきぼりにされた感が残りました。
え、あれやこれの謎は解けてない気がするのに…と。
人が軍犬として育てられるなんて、とても興味深いし、刺激的で凄い設定なのに、それが生かしきれていなかったように思えます。ホントにそんな、局部が犬と同じとかいう理由だけ…?国家的な何かとか秘密組織とか出てきてもおかしくなさそうなのに、しかしそれはストーリー的に問題ではないから出てこなかったのだろうか?受けの彼も、そんなアッサリ納得できるの?嘘ー!?と、自分には突っ込みどころ満載でした。受け・攻めの間での相互理解にのみフォーカスが当たりすぎて、かえって不思議な感じでした。
ただ、絵の魅力、ビジュアルの魅力は本当に素晴らしかったです。こういう世界観や演出で突き進むのも漫画家さんの個性なのかもしれませんが、個人的にもったいないかなと思ってしまいました。※修正は白抜きです。