ヒロインがかわいかった

うじうじヒロインでなくてかわいらしい。ハーレクインは原作を読まないでコミックばかりを主に読み漁っている私は、ノベルの熱烈ファンのような原作イメージこだわりが無い。
純粋に漫画として読むことが多い。

ヒロインのお祖父様ペティグルー大佐は、20才過ぎの女の子の結婚に許可制を敷くほどに過保護な反面、自立を促すような突き放しと、真に両極端。それも物凄く温かい愛情と思うけれど。。。それでもって後見人の誠実さもグッとくる。活字版はきっと情報量が漫画版よりもずっと膨大なのだろうから、周囲の人物達の厚みをより味わえたかもと思うが、コミックも大佐に始まり、エマやヘオルヒウス、マーヴィン、家政婦のミセス・ボディ、トラウ親子と、ファビアン以外にこんなに大勢ストーリーに登場しているのに、少しも雑然としておらず、荻丸先生の力量がうかがわれる。
それでいて、ヒロインの心情が胸にしっかり入る。ファビアン像の描写も要所要所印象的。話がかわいく仕立てられた。

荻丸先生流、他の同一原著者べティ・ニールズ氏のコミカライズご担当各漫画家先生方とも、趣が異なって、新鮮。同氏の著作物はほぼみーんな英国人女性看護師とオランダ人男性医師の取り合わせ、という、いくらHQ比重高い読み方をしてきた私もさすがに食傷気味であったのに、本作にはウンザリ感は自覚しないで読み通せた。むしろ、諸先生色を感じ取れるので、英国人女性オランダ人男性の定型組み合わせを、いろいろな作風で楽しめるのは却っていいものなんだなあだと、私的には本作を通じて改めて思った。
ここでも荻丸節、その告白シーン、盛り上がって良かった。

顔の輪郭がごくたまに多少、特に下半分気になった。あと、オランダ人は、まず殆どは背が高いが、そこは、荻丸男子はどこか色素の濃い南方系っぽくなるなぁとは思った。黒髪ゆえなのか？
それにしても外国人が後見人やれるとは意外。英蘭の特別な結び付きのせい？

彼は何度も寿命を縮ませられたことだろう。髪の生え際が年を感じさせるのが心なしか早いくらいだが、長生きを祈る。