紅椿
」のレビュー

紅椿

三田六十

言葉が通じなくても

2020年10月27日
人間と鬼との愛を描いた、切なくも美しいおとぎ話のような作品。
言葉が通じないながらも、佐吉と鬼のアカが心を通わせていく様子が静かに、でもドラマチックに描かれていてどきどきしながら読みました。
佐吉は佐吉なりに、アカはアカなりに、長い長いあいだお互いを大切に思って待ち続ける姿に涙が出ます。
最後、2人の笑顔に本当にほっとしました。
絵も美しくて、アカが成長した姿は思わず見惚れてしまうほど。
椿の赤、雪の白、山の緑など、白黒のマンガなのに鮮やかな色彩が目に浮かぶようでした。
これからきっと、赤い椿の花を見るたびにアカのことを思い出すだろうな。
この物語に出会えて良かったです。
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