僕らの食卓
」のレビュー

僕らの食卓

三田織

食べることは生きること。

ネタバレ
2020年11月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ ならば、どんな風にごはんを食べるのかというのはどんな風に生きていくのかということに繋がるんじゃないか?そう思うのは大げさではないのかも。そんなことを考えてしまいました。
豊の過去が小さな子どもの絵で表現されるのが一層たどたどしく悲しい。一番敵意を向けてきた兄を恨んでもおかしくないのに「かわいがられたかった」なんて(泣)兄も兄で突然できた弟を受け入れられないのは自然な気持ちだと思います。「両親も妹も自分だけのものだったはずなのに」と思うのは家族が大好きだったからだろうし、親が不在がちならなおさら家を守るのは自分しかいないと思うだろうし…もう、周りの大人がしっかりしてくれよ!!と怒りの矛先がまた別の方向にいってしまう。「幸せで怖い」とかさー(号泣)でも、愛することは失う痛みも引き受けること。そんな風に話す穣のお父さんを見て、思わず自分の家族を顧みてしまいました。そうだよね。この平凡な毎日もずーっと続くわけじゃない。いつか失われる時が必ず来るんだ。その時は痛がろう。豊たちの毎日は続いていくんだろうと思えるラストでしたが、もう少しだけでも続きがみたいなー。続編はもう出る予定はないでしょうか??
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