ロッカバイディア
」のレビュー

ロッカバイディア

暮田マキネ

表紙の雰囲気に惹かれたら是非読んでみて

2020年11月17日
過去と現在が交差し、二人が絡み合いながらも不安を煽る冒頭から惹き込まれた。終始、コマに何を描くか、ストーリーとして何を小出しにするか、時にあざといくらい練られているように思えました。幼少の頃の傷をうまく消化できないまま、思わぬ形で苦しむ優等生の累と、その傷に寄り添おうとして深みにはまる、ぶっきらぼうでも優しい幼なじみ。共依存、高校生らしい未熟さもあるけれど、溢れる愛を貫く八尋の愛し方は私は偉いと思った。二人とも老け顔なのと、やや最後の解決が駆け足だったのが残念。でも、養子縁組した家族との関係もきちんと掘り下げ、BLとしては甘さとかキュンとかを越えた愛の重層性を感じさせてくれて、いい作品だった。
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