このレビューはネタバレを含みます▼
記憶喪失の重いお話。それで想像つく通り色々出来事があるのですがどうすれば正解だったのか、一読者として読んでも分からなかったです。同じ人物でもこうも違うのね、って言われるシーンがありますが、どちらも同じ人物。皆に愛されてた「透」は本来の透の性質で、現実の透は過去の出来事で歪んでしまった透。幼い頃の透を傷つけ歪めた張本人の藤島が記憶を失くした「透」と恋人関係になり、記憶が戻った現実の透を無意識に追い詰める展開はうあああってなりました。藤島が優しい人間なのが余計にどうしようもない。透が気の毒で仕方なかった。たぶん、藤島はもう透に関わらないほうが良かったかもしれない。透は自分で夢を見つけて頑張っていた。記憶喪失となりどうしようもなくても罪を償うほうが良かった気がする。それでも、藤島が関わったのは透のためというよりは藤島が透と関わりたかったからだと思うから、藤島はもっと頑張るしかないよなぁ。