このレビューはネタバレを含みます▼
これは泣きます。泣けました。鳴けないトヒコで泣いた私。これは切ない…切なくて、最後は笑顔で。
まさしく碗島子ワールドです。やっぱり独特な雰囲気を醸し出してます。闇ってたり、笑いのセンスが光ったり、読んでる人をぐっと引き込みます。
若干１９歳にして、生きる価値を失くしたトヒコ。消えたいと願いつつ、どうにもならない日々を過ごし、生きてるけれど死んでるよう…トヒコの人生を壊したクズ達は、勉強出来る同級生のクズ三人。トヒコの恋心を利用して、オモチャのように犯したゲス野郎達。一回地に墜ちろ。
それでも仕事を探しながら、街をさまよい出会ったコウ。トヒコを拾ったコウは、トヒコが感じてもその声をだして鳴けない事を知り……
あまりにも優しく、至れり尽くせりのコウに下心があるのかないのか？なんで、そこまでしてくれるのだろう…人の優しさを知ったトヒコは、徐々に心を開いていきます。コウさん、トヒコの気持ちを裏切らないであげて欲しい、と願うばかり。トヒコがだんだん可愛くなるコウですが…
一方のコウは、不遇な子供時代を過ごし、感情に歪みが生まれます。感情が死んでるようで、人の心がわからない。？なんで？じゃあ、トヒコに対する優しさは？一瞬で凍りつきそうでした。まさしく闇です。居場所があるけど、存在しないようなコウ。だから、どんどん歩きながら、人にぶち当たり自分を主張してたんだね。可哀想な寂しい人。でも、自分のやった事は自分に返る。トヒコはどうなる？コウは？だんだんちょっと緊張して来た。ふぅ～…
コウが帰宅して緊張する瞬間。ドアを開けた向こうにトヒコは待っていてくれるだろうか？
コウも、トヒコも自分の存在に憂い、居場所を探してる。もう切ない、もう辛い。ダメだ涙が…
お互いの居場所は決まってる。隣にいないとダメだよ。離しちゃダメだよ。幸せになってね。
ふぅ～…めちゃくちゃいいお話でした。
切ないだけでなく、先生独特のクスッと笑えるツボがあります。探して見て下さい。ずっと引っ掛かってます(笑)
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