デリバリーハグセラピー
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デリバリーハグセラピー

宮田トヲル

気がつけば大事な存在に

ネタバレ
2020年11月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ まだ2冊目ですが、前作に続きほのぼのと優しい空気に包まれる宮田作品です。
人に対する執着がないというか、人との深い繋がりがめんどくさい貴一。自分の感情にも疎くて、親友への気持ちにも気づかないほど希薄。だから自分の空間を他人に入って欲しくない。そういう人に限って、実は寂しがりなんだよね。人の温もりに飢える感覚。そんな貴一を癒す尚が、可愛くて仕方ない。
家庭環境に問題があった分、人に気を使う優しい子。気配り上手は、甘え下手になってしまいがち。かつての恋も、ひどい扱いだったにも関わらず、悲しみを飲み込んだ尚。泣けない失恋は辛すぎる。その悲しい恋のせいで、次の恋に踏み出すには勇気がいるものねぇ…貴一が気になる尚だけど…
人に興味が薄い貴一が、自らハグを望むのは、尚の温かさを知り心地良さを知ったから。相手を知りたいと思ったら、もう好きじゃん。降参しなよって感じです。尚はしっかり貴一に甘えて、貴一は尚を大切に!好きってなると溺愛しそうだ(笑)でも尚に甘やかされそうかな。愛し愛され、甘やかし甘やかされ、どうぞお幸せに。
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