このレビューはネタバレを含みます▼
二人のやりとりはとても微笑ましく、穏やかで優しい愛情に溢れていて最初から最後まですんなりと読めました。鈴の置かれた状況は苦しく重たいのに健気で前向きな姿勢、穏やかで筋の通った彼の振る舞いも言動も好感が持てました。話の流れはとても自然。理不尽な仕打ちを強いるおじ夫婦の悪行の理由もわかりやすかったし、きちんと彼が悪いものには容赦なく罰を与えてくれる姿勢にも胸がスッキリしました。雨の中、傷付き鈴が家を出て行く場面、自分を必要としてくれる人はいない辛い現実に打ちひしがれる場面は胸が苦しく同調してボロボロに泣けます。そんな鈴を後悔の中探す描写はもう素晴らしいの一言。彼女の辛さ、彼の後悔が伝わるような表現は苦しくもありますが期待通りの展開でもあり、満たされますよ!様々なノベルを読んできましたが、面白かった!と太鼓判を押せる、推せる作品です。読んで損はありません。