このレビューはネタバレを含みます▼
まず、攻めのリオーダンが地雷のオンパレードでした。彼女持ち、セフ○持ち、結婚願望あり→結婚する、子供も欲しがっている、受けを選ぶつもりは無いのに手を出す、受けを深く傷付ける、受けに抱かれる……。
いつもだったら、2巻を読み終えた時点で離脱していますが、地雷塗れのリオーダンは地雷の何倍も魅力的なところがありました。40年培ってきた固定概念をそう簡単に変える事が出来ないのも仕方がないと思いましたし。アドリアンを深く傷付けましたが、リオーダンも傷付いていました。自傷行為を見ているようでした。それでも何度もリオーダンにはぶち切れましたが……。
でも身も心もかっこよくてこんなにセクシーな攻めにはなかなかお目にかかれません。そして何よりも、心の底からアドリアンだけを愛しているのが痛い程伝わるところが大好きです。ケイトには悪いですが、心の一途さに関してはリオーダンは素晴らしかったです。アドリアンには他に二人の恋人が登場しますが、リオーダンのかっこよさと、アドリアンへの愛が溢れる言動が凄すぎて、二人は比べ物になりません。
あとリオーダンのアドリアンへの睦言はくせになります。口数は多い方では無いけれど、たまらないんだなって凄く伝わります。
どうしてもアドリアンが幸せになるのを見届けたくて、地雷覚悟で読み切りました。本当に読んで良かったです。
アドリアンに関しては好きなところしか無いです。本当に愛おしい。とても傷付いているのに、どうしてそんなに優しいのって思います。皮肉屋ですぐ茶化してしまうけれど、それがアドリアンの柔らかいところだと思います。
アドリアンがアドリアンでなければ、読み切ることは出来ませんでした。
いつでもユーモアに溢れていて、確かにある心の傷を、ありのまま晒す事なく、読者にすら本当に感じている痛みを悟らせないような言葉選びに救われました。
優しくて強くて儚くて綺麗で賢くてかっこよくて可愛くて面白くてちゃんと怒ったりイラついたりもして、全てが愛おしいです。
この作品の最後の一行を読んで、この一行のために読んできたのだなと思いました。
最後の一行にアドリアンの愛おしさが詰まっています。