はるのうららの
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はるのうららの

三崎汐

普通とは

ネタバレ
2020年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 兄が女装して家に帰ってきたことがきっかけで「おかま菌」と言われイジメられていた矢河は転校してきた大沢と仲よくなります。かっこよくて女子に人気の大沢と一緒にいる事で矢河のイジメは鎮静化します。大沢は純真な矢河のことを好きになりますが、「普通」で「まっとう」な大人にならなくてはいけないと思っていた矢河は気を持たせてしまいながら何度も大沢を傷つけます。小学6年生から中学を卒業してそれぞれの道を歩き出すまでが描かれていて、裕福な家庭に育った矢河の普通と母子家庭で母親が男に騙されたりと荒んだ生活を送る大沢の普通、矢河の兄の普通(本来)の姿、普通というものが持つ違う意味を問いかけられました。普通にこだわっていた矢河が自分の本当の気持ちを受け入れるまでが丁寧に描かれています。周りの人物も人間味があってそれぞれの視点で考えさせられました。2013年7月 総214ページ エロなし。
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