やまない不幸の終わらせ方
」のレビュー

やまない不幸の終わらせ方

緒川千世

ストーリーは☆5 絵は☆3

ネタバレ
2020年12月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『誤算・不幸』シリーズ4作目。

8年もの片思いを実らせて4年も付き合っているのに、未だに清竹に対してカッコつけが抜けない烏童が清竹に自分の気持ちを吐露する場面にグッと来た。

二人でいることに慣れたくないと隣同士で暮らすことを選んだ烏童が清竹と一緒に暮らすと決め、ずっと見守っていた者としてとても感慨深い。


烏童弟と三城は安定のハッピーオーラ満載。兄パートが不穏・不安・不幸のオンパレードだから、三城の軽さに癒される。作者さんが烏童弟&三城を描きたいと思う気持ちがよく分かる。

この作品がシリーズの集大成的な位置付けなのか、烏童両親、三城母、清竹家族が総出演で男性同士の恋愛に対するそれぞれの受け止め方が描かれているのが興味深かった。現実はそんなに甘くないと分かった上で烏童両親のような人たちが増えることを願わずにはいられないし、弟が誰よりも大事にしている人に「別れろ」なんて言う人間にだけは絶対になりたくない。


今回、清竹&烏童兄、烏童弟&三城の続編が読めて嬉しいけれど、絵があっさりというか雑というか、シリーズを続けて読んだせいか最後までなんか違う感が拭えなかった。特に三城が別人レベルに違って見えた。
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