このレビューはネタバレを含みます▼
初めての作家さん。Henri先生原作の作品は「愛というなまえ」に続いて2作目。単話の表紙がツボで今回セールになってたので読みましたが、面白かった!遺伝子を掛け合わせ生まれた「NEO」と呼ばれる新人類。上流階級の貴族たちの中でさえ幅を利かせるNEO優位の世界。貧困層の暮らすアンダーエリアの情報屋、響の元へ貴族である春野が訪れる所から物語が始まります。ボーっとしているようでかなりの情報収集力を持つ響。失踪中の兄を探してほしいと依頼するアンダーエリアには相応しくない上流階級の春野。巷で噂になっている富裕層から窃盗しアンダーエリアの孤児院や慈善団体へ寄付をするノアという謎の人物。謎を抱えたまま、依頼を受けた響は兄の捜索を始めお話は大きく動いて行きます。幼い頃から唯一の拠り所であった兄を必死で探す春野が、兄の安全のためと黙って家の為に受け入れてきたおぞましい行為がとても辛いです。兄の失踪も兄曰く愛あるが故。でもその愛はいったい誰のため?と腹立たしく思いましたが響が言ってくれたからスッとしました。謎は明かされ、結果、春野は自分で道を選びます。春野が彼の隣でありのままで笑ってる姿が見られて良かった!