傷あとにくちづけ【単行本版】
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傷あとにくちづけ【単行本版】

あまきいお

穏やかに流れる時間____※2巻追記

ネタバレ
2020年12月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 父親の入院で社長代理となった来栖と歯科医の瀬戸。数回の偶然の出会いから期間限定の恋人になる。


失恋の痛みで泣いていた瀬戸を慰める形で始まった関係は少し唐突に感じたけれど、互いにこのまま偶然出会った赤の他人で終わりたくなかったのだろうな。

瀬戸の初めての恋人が同性同士の関係を凄く軽く考えていて、心を通わせる恋人同士になりたかった瀬戸はこの恋を最後に恋愛から遠ざかり、来栖に抱かれながら「ごめんなさい」を繰り返す姿が可哀想すぎる。

恋することに臆病になっている瀬戸を来栖がゆっくりと歩調を合わせながら優しく癒していくのが本当に素敵だった。帯に偽りなしの激甘で幸せになる作品。



*2巻読了*

正式に付き合い始めた来栖誠一と瀬戸尚は順調に愛を育んでいて、社長代理をしている誠一は多忙を極めていても尚と過ごす時間を大事にしている。

歯科医の尚も誠一の立場を理解し、理性的な大人の面と情熱的な恋人の面の対比も素晴らしい。


誠一と尚の関係が磐石だから変な当て馬や邪魔の入りようがなく、後継者である誠一が父親に尚との将来について覚悟を見せる展開も父親による横槍が入ったりすることなく、帯どおりの激甘作品を見せてくれて読後感がとても良い。

1巻では過去の恋愛で傷付けられた尚が弱々しく見えたけれど、誠一に愛された尚は強く前向きになっていて、芯の強さを見せるところは格好良かった。
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