恋は地表マイナス2メートル
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恋は地表マイナス2メートル

今井ささる

先輩かわいい

ネタバレ
2020年12月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLでは少し珍しい、専門的な内容の大学モノです。作者さんの経験も活きていて、考古学キャンパスライフ+恋愛ものとして大満足に楽しめます。主人公の夢の描写がどれも印象深く、やっぱり死んで骨になったら先輩に掘り起こしてもらいたいんだなぁとちょっとホロっときてしまったり…。先輩の心臓をもらったのは、不自由な心臓を持っていた主人公からの自由な先輩への憧れを置き換えたのかなと思っていたのですが、自分の心臓を守る意味があったんですね。箱から出した先輩への溢れんばかりの想いと(+劣情と)、自分の心臓と…女の子と付き合うのはどうしても向かなかった先輩のことも含め、解放の物語だと感じました。シリアスになりがちなテーマを扱いながら、脇含めたキャラクターたちの軽妙な魅力と、それがマッチした大学という舞台のお陰でとても読みやすかったです。きっとこれからも本棚から掘り起こして読み返すであろう素敵な一冊でした。
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