千年万年りんごの子
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千年万年りんごの子

田中相

土着の神と因習から逃れようとする夫婦の話

ネタバレ
2020年12月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 8年ほど前の作品。最終巻刊行当時、読み終わって夜中に号泣したのを覚えてます。いま、天気の子のサントラ聴いててふと思い出したのでレビューします。映画「天気の子」や「君の名は」が好きな方にぜひ読んでもらいたいです。新海監督も雑誌のインタビューでこの作品に言及したとか。日本土着の神と因習に絡め取られ、運命に抗い逃れようとする夫婦の話。テーマと結末が「天気の子」の裏バージョンのようなお話です。映画にもありましたが、日本の土着の神は無慈悲な荒ぶる神で、贄を必要とするのですよね。なるべくネタバレしたくないので書けませんが、どうしようもない極限の状況でふたりの下した選択に私は泣きました。このような感動できる作品に出会うたびに、生きて読めたことにほんとうに感謝したくなります。
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