先輩
」のレビュー

先輩

びっけ

青春の閃光と煌めきと。

ネタバレ
2021年1月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ たぶん少し前のセール買い。少女マンガ枠で描いていらっしゃる作家さんで、BL枠では初めて読みます。この作品、私には、どストライク。。。描き方がリリカルで少女マンガっぽいせいかもしれない。こんなに良い作品なのに、なんでレビュー数少ないんだろう。10年くらい前の作品だからかな。
ふたりの先輩と呼ばれるひとが出てくるお話。冒頭から既にひとりの先輩は事故で亡くなっています。その三角(みすみ)先輩を忘れられない煌(こう)が、先輩の命日に鶴岡八幡宮(たぶん)のあの階段で座り込んでいたところ、登校途中の1年生の閃(さき)と出会う。閃は亡くなった三角先輩によく似ていた。煌先輩となにかと一緒にいるようになった閃は、先輩がずっと傷ついていることが気になる。亡くなる前、三角先輩は、煌先輩と別の女子高校生とフタマタかけていたらしいから。鎌倉、江ノ島を舞台に、ふたりの想いと、ここにはもういない三角先輩との思い出が交錯しながら、高校生の日々が叙情的に描かれます。エロエチ描写は全くなく、キスのみですが、震える手で抱き寄せたキスだけでもう充分お釣りがきます。青春の閃光と煌めきと痛みと、喪ってしまったものへの追憶と。そういうものが好物な方に、ぜひオススメします!
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