このレビューはネタバレを含みます▼
これは長く人気な作品だと、やっと実感しました。胸が痛いであろうと思われる作品は、自分の心が元気じゃないと読みづらく、長く自分の中で保留にしてました。読んで良かったと、心から思います。
単なる二人の恋物語ではなく、同性愛についてまわるカミングアウトの問題、家族、仲間達の反応、拒絶、受け入れ、深く掘り下げたテーマです。自分達の感情さえもままならないところへ、周囲の理解は生半可なものではなく、のみ込む事は容易い事ではないと思います。自分達だけの問題じゃないんですよね…なおのお母さんの気持ちも痛いほどわかります。それでも温かい家族や仲間に涙が溢れて止まりません。家族愛、友愛ってなんて素晴らしいのでしょう。辛い事もありますが、彼等がいれば、乗り越えられる。そんな気がします。
もちろん太一となおの恋物語も涙です。友だちだと上手くいく関係が、恋人になるとダメになる。関係に『なまえ』がつくと欲張ってしまうんだよね。どこまでも貪欲に相手の愛を求めてしまう。思いやりさえもすれ違って素直になれない。うーん…胸が痛い。それでも失う怖さを知ってるから、もう間違えない。涙を流した人の分まで、お幸せに。
ふみちゃんの切なさや、仲間を大切に思うミカりんの涙に感涙です。普通と普通じゃない線引きは、それぞれの価値観の違いだと思うので、胸を張って生きて欲しいと心から願います。
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