設定の面白い少年漫画





2021年1月5日
この漫画を読んで、某小学生男子向けの漫画雑誌の編集部が「子供向けと子供だましは違う」と言っていたのを思い出しました。ざっくり言うと「大人が面白いと思うものを、子供にも伝わるようにしたものが子供向け。大人側は面白くもなんともないけど、子供にはウケるだろうと考えて作られたものが子供だまし」という感じだったかと思います。まさにこの漫画は「子供向け」。(にしては、グロさも多分に含んでいますが。)少年が読んでも面白いというのはもちろん、大人が読むに充分耐えうる面白さを湛えています。少年漫画の王道をいく、ドン・ガン・バーン!のど派手な異能バトルものであるだけではなく、主要なキャラもモブもボロボロ死んでいくサスペンスものであり、かつ不条理漫画の要素もある。ジャンプが表向き少年を対象とするものだとしても、それを押して掲載しただけある漫画だと思います。残念なのは「ドン・ガン・バーン」のスケールが大きすぎて、それを表現しきれていないところがあるところ。「今なにしたの?何をされてこの人は倒れてんの?」となって、とりあえず先に進んで、あーなるほどと合点のいくところがある。臨場感のあるコマ割りもいいけど、もう少し視点を工夫して戦闘シーンが分かりやすくなると、さらに広い世代に受け入れられる漫画になると思います。

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