卑屈でないのが気持ちいい





2021年1月11日
自信のあるなしとは違う。貧乏であることや仕事が使用人の類であることを恥ずかしいとしない姿勢がいいのだ。
また、育った環境や生活ぶりを見下そうとする人間たちに対して、堂々と自分のこれまでを誇れる。
中身が素敵であるから、妹さんの服を借り身なり変えるだけで、外見をそこそこ整えるだけのことで、周囲を圧倒する存在となる。たくましくて毅然としている。だからこそ美しい。
彼も情が深い。篤い人故に子は持たぬという。その理由がやはり、彼が子どもという存在に抱く愛そのものからだ。自分自身が子に害悪だからと。傍には居られないと。
二人は似ている。貧しさの傍らに必ずある苦労というものを、どちらも自らの体験を通じて知っている、という点に於いて。二人の出逢いはただの偶然であっても、愛し愛される関係に発展する過程は、違和感が入り込む不自然なジャンプが無い。
彼ラフの家族関係修復も強引さが無い。それは、まさにヒロインが、彼の妻としてこれ以上適任は居なかったかもしれないと思わせる、説得力を持たせる。
藍先生は、ストーリーに任せっきりにしないで、絵で語るお力のある先生。住環境、親族の集まりの空気感、物質的豊かさ、人々の関わり、どれもスマートに描写されてる。
メインキャラにメインとして華のある見せ方をさせる場面を心得ているから、二人それぞれの魅力が発揮されるコマが用意される(但し94頁横顔除く)。
ポピーちゃん、良かったね。HQには星の数ほど居るシングルマザーと幼な子だけれど、漏れなく幸せになれるから。
ラフの不幸な生い立ちの元凶にして、その彼をしてジュリエットに関する事前確認を怠らせなかった、薬物売人云々。ポピーちゃんが意味深な名前であるのは、原作者がストーリー作りに何かを潜ませている、ということなのだろうか。意図を読みきれなくて、ちょっと癪だ。
余談だが労働者階級出身を思わせるヒロイン、資本家階級とはっきり線引きしてきた英国におけるこのストーリーには、それを表に出していないけれども、そこにも隠れたメッセージを受け取るようになっているようだ。
これもHQ伝統の陳腐な邦題。いつも担当漫画家がお気の毒に感じてならない。
また、育った環境や生活ぶりを見下そうとする人間たちに対して、堂々と自分のこれまでを誇れる。
中身が素敵であるから、妹さんの服を借り身なり変えるだけで、外見をそこそこ整えるだけのことで、周囲を圧倒する存在となる。たくましくて毅然としている。だからこそ美しい。
彼も情が深い。篤い人故に子は持たぬという。その理由がやはり、彼が子どもという存在に抱く愛そのものからだ。自分自身が子に害悪だからと。傍には居られないと。
二人は似ている。貧しさの傍らに必ずある苦労というものを、どちらも自らの体験を通じて知っている、という点に於いて。二人の出逢いはただの偶然であっても、愛し愛される関係に発展する過程は、違和感が入り込む不自然なジャンプが無い。
彼ラフの家族関係修復も強引さが無い。それは、まさにヒロインが、彼の妻としてこれ以上適任は居なかったかもしれないと思わせる、説得力を持たせる。
藍先生は、ストーリーに任せっきりにしないで、絵で語るお力のある先生。住環境、親族の集まりの空気感、物質的豊かさ、人々の関わり、どれもスマートに描写されてる。
メインキャラにメインとして華のある見せ方をさせる場面を心得ているから、二人それぞれの魅力が発揮されるコマが用意される(但し94頁横顔除く)。
ポピーちゃん、良かったね。HQには星の数ほど居るシングルマザーと幼な子だけれど、漏れなく幸せになれるから。
ラフの不幸な生い立ちの元凶にして、その彼をしてジュリエットに関する事前確認を怠らせなかった、薬物売人云々。ポピーちゃんが意味深な名前であるのは、原作者がストーリー作りに何かを潜ませている、ということなのだろうか。意図を読みきれなくて、ちょっと癪だ。
余談だが労働者階級出身を思わせるヒロイン、資本家階級とはっきり線引きしてきた英国におけるこのストーリーには、それを表に出していないけれども、そこにも隠れたメッセージを受け取るようになっているようだ。
これもHQ伝統の陳腐な邦題。いつも担当漫画家がお気の毒に感じてならない。

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