海の闇、月の影
」のレビュー

海の闇、月の影

篠原千絵

邪悪なものへの鎮魂歌

2021年1月20日
最初に読んだときは、邪悪な流水がただただ恐ろしく、流風の心に寄り添って物語を追っていた。
しかし、身近な人の死に直面した流水が涙を流した時、流水自身の優しさや理性はなにも変わっていなかったのだと知った。
膨れ上がる欲望を抑えられず、次々に人を手にかけていく流水の苦悩はいかばかりだっただろう。最も助けを求めていたのは彼女だった。
最期に流水は救われたのだろう。
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