未熟な僕らは夏に為る 【短編】
」のレビュー

未熟な僕らは夏に為る 【短編】

hitomi

圧倒的画力にひれ伏すのみ

2021年1月29日
まずは何といっても圧倒的画力!
デッサンに寸分の狂いもない大人っぽい絵柄と、「スタジオ美峰にお勤めですか?」と言いたくなる程の、背景の美しく細かい描き込み具合。
角度のついた眼球のアップなんかもリアル。
全く破綻がないです。すごい。素晴らしい。
売れてる青年誌で月刊連載していてもおかしくないレベル。
いやーすごいです。初コミックスだなんて信じられない。
もし商業で別名義がおありならば、ぜひ知りたいです。
個人的には得意な絵柄ではないのですが、あまりにも上手いので、そんな個人的趣向は吹き飛んでいきました。
お話としては、テキトーに生きてきた都会の男である攻めが、田舎暮らしを始めて出会った受けに気づいたら惹かれていて、という流れ。
受けは純朴でかわいい!でも力持ち。そこも良い。
一方、親が金持ちでチャラチャラしている攻めの好感度は、正直最初は低かったです。
ツーブロックに短パンサングラス、眉もカッチリ整えてる今どきの軽めなシティボーイ(表現古っ)ってイメージです。
リアルで近くにいたら、苦手なタイプだなあー。
でも、最後に電話ボックスの中でしゃがんで泣きながら受けに電話する姿を見たら、切なさで一気にほだされてしまいました。受けが電話に出るよう私も神に祈りました。
あとは、攻めのモデルばりのスタイルとは違って、受けの体型がリアル。背はそんなに高くなくて手足太め短めで身体に厚みがあって。こんなこと言ったらファンの人に怒られちゃうかもしれないけど、NEW○のまっすーみたいな感じ(一応伏せ字にしてみる)。
キャラの微妙な体型の違いまで描き分けられるって本当にすごいなー。
短編ですが読み応えあり。オススメします!
いいねしたユーザ7人
レビューをシェアしよう!