藤原征爾君追悼特集に寄せて
」のレビュー

藤原征爾君追悼特集に寄せて

吉池マスコ

生乾きの傷を引きずり回しながら

2021年2月8日
好きな作品でした。死を扱う作品は、後味が悪いことがあるので、気になりつつ購入を迷っていましたが、フォローさんのレビューを読んで購入。買ってよかったです。お話の構成や展開がとてもいいなと思いました。最初から死を扱っていることが分かっているという、心づもりがあったからかもしれませんが、すべての流れをスッと受け入れることができました。切なさは残りつつも、嫌な気持ちになることはありませんでした。3人の生きてきた道は、きれいごとだけでなく、輝かしいだけでもないけれど、それぞれの生き方が作用し合って、それぞれにとって、かけがえのない人生を形作っていることが、私的にとても響きました。さりげなく入っていた、宮本君が中学生の時のサイン会のエピソード、良かったな。読みながら、「ありがとう」や「さようなら」が言える別れは当たり前じゃないということを、思い返しました。おススメレビューありがとうございました。
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