このレビューはネタバレを含みます▼
星5をつけましたが、他のレビューにあるように、主要キャラ達の謎が謎のままで終わっており、モヤモヤは確かにあります。読んでいる途中で「なぜ?」と気になりました。でも、あえてモヤモヤを呑み込んでも読んでしまう漫画です。
アニメのように描き込まれた繊細な自然の景色、料理。ページは白黒ですが、色つきの光景を見たような気持ちになります。食べ物にも温度や香りを想像し、生活の音まで聞こえるようです。
普段省略して過ごすことの多くなった年中行事や、季節の移ろいを知る事柄とともに、八潮とトキの関係も少しずつ深まっていきます。八潮の友人達や、山の犬ミツも、とても魅力的なバイプレイヤーです。
だからこそ、八潮と親・祖父母との関係や八日見家そのものに何かしらの秘密はあるのか?トキの過去との関係は?…といった重要な部分が、やっぱり気になってしまう。なのに回想など断片からしか探れないのがとても残念でした。
伏線なら回収してほしい。
たいした伏線でなくサラッと読み進めていいなら、余りにも思わせぶりな語られ方でした。特にヨスガさん…。
ついつい愚痴のようになりましたが、それもこれも、絵もキャラも物語も素敵だから。
あと一歩、詰めをしっかりしてほしかったなあ。
全部を明かさないのがこの作者さんのスタイルでしたら、すみません。
※修正はない感じの画面構成。淡々とした物語のテンポなのにHは濃厚。場面は少ないですが、攻めのトキがここぞとばかりにオスみを放ちカッコよく色っぽく、印象的でした。